

美食を極めた料理研究科・陶芸家・書家として著名な魯山人。マンガ『美味しんぼ』に登場した海原雄山のモデルとされている人物としても有名ですね。その魯山人が76才で世を去ったのは1959年でした。死因は肝硬変ですが、晩年には魯山人を悩ませた別の病気がありました。彼は前立腺肥大症にかかっていたのです。この病気は夜間も尿意が近くなりやすく、魯山人は寝室から離れたトイレは不便だとして、枕元に小用のトイレを建て増してしまったほどの症状だったようです。
現在、日本では39万8千人の患者がいると推計されています(平成14年・患者調査)。その多くが50歳以上の方ですから、隠れた中高年の病気といえます。この病気と診断された方でなくとも、50歳以上の男性のうち、5人に1人は前立腺肥大症の傾向があると考えている医師もいます。
魯山人のような夜間の頻尿のみならず、日中の頻尿の場合も前立腺肥大症の疑いがあります。前立腺肥大症には以下のような症状が現れます。
2の症状を長期間放っておくと以下のような病気に至る場合もありますので、注意が必要です。
前立腺は直腸の前、膀胱のすぐ下で、尿道の周りにある栗の実ほどの大きさがある臓器です。前立腺の機能としてはまだ詳細に解明されてはいませんが、精液の成分である前立腺液を分泌しています。
天皇陛下のご病気により、近年、注目を集めた前立腺がん。歌手の故・三波春夫さんもこの疾患でお亡くなりになりましたね。前立腺肥大症と同じような症状が前立腺がんにも見られますので、誤解されやすいのですが、全く異なった病気です。
前立腺肥大症は内腺と呼ばれる内側の尿道に近い部分が肥大化する病気です。一方、前立腺がんは内腺より外側の外腺と呼ばれる部分の細胞にがんが発生するものです。ただし、日本人男性にとってこの前立腺がんは近年、増加の一途を辿っていますので、中高年の方は注意が必要です。
国際親善総合病院 院長
村井 勝先生
ここで提供される情報はすべて皆様への情報提供を意図しており、医学的なアドバイスや診断に使用されるべきものではありません。
もし健康状態に関して何らかの不安があれば、医師にご相談ください。